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4.5.3 記録

組織は、環境記録の識別、維持及び廃棄のための手順を確立し、維持しなければならない。これらの記録は、訓練記録、並びに監査及び見直しの結果を含まなければならない。

環境記録は、読みやすく、識別可能であり、かつ、関連した活動、製品またはサービスに対して追跡可能でなければならない。環境記録は、容易に検索でき、かつ、損傷、劣化または紛失を防ぐような方法で、保管され、保持されなければならない。 保管期限が定められ記録されなければならない。

記録は、システム及び組織に応じて、この規格の要求事項への適合を示すために維持されなければならない。

1. 要求されている環境記録

環境マネジメントシステムで環境記録とされるものには次のようなものがあります。

●規格が直接要求する記録(残さなければならない記録)
規格要求項目環境記録の内容
4.4.2訓練の記録
4.4.3外部コミュニケーションの受付け、文書化
4.4.3著しい環境側面についての外部とのコミュニケーションのプロセスを検討した決定事項
4.5.1監視機器の校正及び維持記録
4.5.1パフォーマンス、関連の運用管理及び組織の目的、目標との適合を追跡するための情報の記録
4.5.2是正処置及び予防処置に伴なう手順書の変更の記録
4.5.4環境マネジメントシステムの監査結果(監査報告書)
4.6経営者による見直し結果

●環境マネジメントシステム運用時に発生する記録(運用上、生じる記録)
規格要求項目環境記録の内容
4.5.1監視・測定結果
4.5.1法適合性評価
その他法律等で要求された届出、許可等の記録

まず、これらの環境記録に組織として何が該当するのかをまとめます。抜けている(足りない)記録がもしあればどのように補填するかを検討して穴埋めしましょう。

環境記録の対象が決まったら、次にそれらの記録の管理方法を決め、手順を定めます。
規格が要求する環境記録の管理項目は、

・読みやすいこと
・識別可能であること
・関連した活動、製品またはサービスに対して追跡可能であること
・容易に検索できること
・損傷、劣化または紛失を防ぐような方法で保管、維持すること
・保管期限を定め、記録すること

これらの項目について管理手順を定め、必要に応じて手順書を作成します。

2. ひと工夫と注意点

記録様式に記録すべき項目、処置手順などを規定として盛り込んでおけば手順書(要領書)としても使え、必要事項を記入すれば記録になります。このように記録様式自体を工夫すれば手順書(要領書)兼記録様式という使い方もできます。

記録項目として忘れてはならないのは記録した“日付”です。“日付”は重要な記録項目の1つと考えておいた方がよいでしょう。“日付”のない記録は、記録としての価値が半減していると言っても過言ではありません。なぜなら、“日付”がないことにより追跡性(トレーサビリティ)の信頼性がガタ落ちになってしまう可能性があるからです。 加えて、追跡性(トレーサビリティ)の向上という点では、どの環境記録がどの活動、目的・目標と関連があるのかが分かるように管理番号、関連事項への追跡情報などを書いておくと識別や追跡可能性の向上が期待できます。

監視・測定、運用管理の結果の記録には、時系列データのグラフを付けておくと時間的な推移が視覚的に分かるのでより効果的です。数字の羅列はなるべく避け、グラフを多用した記録を残した方が傾向的な変化を視覚的に把握できるので説得力が出てきます。

記録の承認は基本的には必要ないと考えますが、記録者や記録内容が信憑性、信頼性に欠け、上長の承認が必要な場合などは決め事にしてもよいかもしれません。また、記録はエンピツ書きでもボールペン書きでもデータを印字したものでも構いませんが、エンピツ書きは保管状態や保管期間によっては薄くなったり消えてしまう可能性があるので、ボールペン書きを常識とすることが望ましいと思います。 1度記録した内容は書き換えたり書き直してはいけません。そんなことをすると“改ざん”と言われます。記録の改ざんをすると場合によっては法的責任を問われたり、組織としての信頼を失います(原発の点検記録がよい例です)。ただし、台帳のようなものは書き足しがあり得ますが、1度記録したものを書き換えることはできません。

3. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
「環境マネジメントシステム文書第二種管理文書一覧表」に記録が混在しています。 文書と記録の区分けが理解されていないため、記録であるにも関わらず文書と認識して文書一覧に載せてしまった。
規格の「かつ、関連した活動、〜追跡可能でなければならない」に関する記述がありません(環境マニュアル)。

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