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0. 序文

0.2 概観

環境の質を維持し、改善し、人間の健康を守ろうとする関心が高まるにつれて、大小を問わずすべての組織がその活動、製品またはサービスの潜在的環境影響にますます目を向けつつある。 組織の環境パフォーマンスは、内部及び外部の利害関係者にとってますます重要になりつつある。健全な環境パフォーマンスを達成するには、体系的なアプローチ及び環境マネジメントシステム(EMS)の継続的改善に対する、組織の関与が必要である。

この規格の一般的な目的は、EMSを実施し、改善しようとする組織を支援することである。また、この規格は持続可能な開発の概念に沿うとともに、多様な文化的、社会的及び組織上の枠組みと両立しうるものである。

ISO14001(JIS Q 14001)だけが、審査登録目的または自己宣言目的で、客観的に監査されうる要求事項を含むことに留意するのが望ましい。その一方、この規格は、EMSの実施及び組織の全体的マネジメントとの関係強化の両者を支援する、例示、説明及び選択肢を含む。

EMSは、資源の配分、責任の付与、並びに慣行、手順及びプロセスの持続的評価を通じて環境問題に取り組む組織に秩序と一貫性を与える。

この規格は、EMSの諸要素を考慮に入れ、この種のシステムの実施または向上の際の実務的な助言を与える。また、いかにして環境マネジメントシステムを効率的に開始し、改善し、または維持するかを組織に助言する。 この種のシステムは、組織が、環境目的を見越し実現でき、かつ、国内及び/または国際的要求事項に確実に継続して適合できるために不可欠である。

環境マネジメントは、組織の全体的マネジメントシステムの必須の部分である。EMSの設計は、継続する相互作用プロセスである。環境方針、目的及び目標を実施するための組織構成、責任、慣行、手順、プロセス及び資源は、他の領域(例えば運営、財務、品質、労働安全衛生)における既存の努力と調整できる。

環境マネジメントシステムを実施し向上させようとする管理者にとって鍵となる原則は次のとおりであるが、これに限るものではない。

− 環境マネジメントが企業の際優先事項の1つであると認識する、
− 内部及び外部の利害関係者とのコミュニケーションを確立し、維持する、
− 組織の活動、製品またはサービスに伴なう法的要求事項及び環境側面を決定する、
− 責務と責任の明確な付与により、環境保全に対する経営層及び従業員の関与を進展させる、
− 製品または工程のライフサイクルを通じた環境計画を奨励する、
− 目標のパフォーマンス水準を達成するためのプロセスを確立する、
− 継続性をもって目標のパフォーマンス水準を達成するため、訓練を含む適切かつ十分な資源を提供する、
− 組織の環境方針、目的及び目標と対比して環境パフォーマンスを評価し、必要に応じて改善を追及する、
− EMSを監査し見直すため、また、システム及びその結果としての環境パフォーマンスを改善する機会を明確にするためマネジメントプロセスを確立する、
− 請負者及び供給者にEMSを確立するよう奨励する、

組織は、次のようなEMS規格の種々の用途を考えることができる。

− 組織のEMSについての第三者による審査登録または自己宣言を達成するために、JIS Q 14001:1996 環境マネジメントシステム−仕様及び利用の手引きを使用すること。
− EMSを開始及び/または改善するために、この規格またはその一部を使用すること。この規格は審査登録目的を意図していない。
− 一部のビジネス関係に適しているかもしれないが、契約当事者間の第二者認証を達成するために、指針としてこの規格または仕様としてJIS Q 14001を使用すること。
− 関連のJIS文書を使用すること。

その選択は、次の要員に依存する。

− 組織の方針。
− 組織の成熟度:体系的な環境マネジメントの導入を容易にするような体系的なマネジメントが既に整っているかどうか。
− 市場での立場、現在の評判及び外部関係のような事柄によって左右されうる、有利及び不利な点。
− 組織の規模。

この規格はあらゆる規模の組織に使用できる。
なお、中小企業(SME)の重要性は政府及び産業界によってますます認識されつつある。この規格は中小企業のニーズを認め、取り入れている。

0.3 環境マネジメントシステムを持つことの利点

組織の活動、製品またはサービスが与えるかもしれない影響から人の健康及び環境を保護するため、また環境の質の維持と改善を助けるために、組織は効果的な環境マネジメントシステムを実施することが望ましい。

EMSを持つことは、組織が利害関係者に対して次のような信頼を与えることを支援する。

− 方針、目的及び目標の条項に適合する経営者の約束が存在する、
− 是正処置より予防に重点が置かれる、
− 妥当な配慮と規制の遵守の証拠が示せる、
− システム設計が継続的改善のプロセスを取り入れている。

マネジメントシステムにEMSを組み入れる組織は、経済上及び環境上の利害を均衡させ統合する枠組みを持つ。EMSを実施している組織は、顕著な環境優位を獲得することができる。

経済的利益が環境マネジメントシステムの実施から得られることもある。これらの利益は、利害関係者、特に株主に、良好な環境マネジメントの組織にとっての価値を示すために、特定されることが望ましい。 また、EMSは、環境目的及び目標を特定の財政的成果と結びつけ、それにより財政及び環境の両面で最大利益を与えるよう資源が確実に利用される機会を組織に与えるものである。

効果的なEMSに伴なう潜在的利益には、次のようなものがある。

− 提示する環境マネジメントへの関与を顧客に保証すること、
− 一般の人々または地域社会と良好な関係を維持すること、
− 投資家の基準を満たし、資金調達を改善すること、
− 妥当な経費で保険がかけられること、
− イメージ及び市場占有率を高めること、
− 販売者の認証基準に適合すること、
− 原価管理を改善すること、
− 責任に至る発生事象を減らすこと、
− 妥当な配慮を示すこと、
− 投入原材料及びエネルギーを節約すること、
− 許認可の取得を容易にすること、
− 開発を促進し、環境上の解決策を共有すること、
− 産業界と政府の関係を改善すること。


1. 適用範囲

この規格は、環境マネジメントシステム及び原則の開発及び実施、並びに他のマネジメントシステムとの調整に関する手引を提供する。

この規格の指針は、規模、種類、成熟度を問わず、環境マネジメントシステムの開発、実施及び/または改善に関心のある、どのような組織にも適用できる。

この指針は、任意の内部管理ツールとしての使用が意図され、EMSの審査登録基準として使用されることは意図されていない。


2. 引用規格

現時点では、引用規格はない。


3. 定義

この規格に用いる用語の定義は、次による。

3.1 継続的改善:continual improvement

組織の環境方針に沿って全体的な環境パフォーマンスの改善を達成するための環境マネジメントシステムを向上させるプロセス。

(備考)
このプロセスはすべての活動分野で同時に進める必要はない。

3.2 環境:environment

大気、水質、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係を含む、組織の活動をとりまくもの。

(備考)
ここでいう”とりまくもの”とは、組織ないから地球規模のシステムにまで及ぶ。

3.3 環境側面:environmental aspect

環境と相互に影響しうる、組織の活動、製品またはサービスの要素。

(備考)
著しい環境側面とは、著しい環境影響をもつかまたはもちうる環境側面である。

3.4 環境影響:environmental impact

有害か有益かを問わず、全体的にまたは部分的に組織の活動、製品またはサービスから生じる、環境に対するあらゆる変化。

3.5 環境マネジメントシステム:environmental management system

全体的なマネジメントシステムの一部で、環境方針を作成し、実施し、達成し、見直しかつ維持するための、組織の体制、計画活動、責任、慣行、手順、プロセス及び資源を含むもの。

3.6 環境マネジメントシステム監査:environmental management system audit

組織の環境マネジメントシステムが、その組織によって設定された環境マネジメントシステム監査基準に適合するか否かを決定するための証拠を、客観的に取得及び評価する体系的かつ文書化された検証プロセス、並びにこのプロセスの結果についての経営層とのコミュニケーション。

3.7 環境目的:environmental objective

環境方針から生じる全般的な環境到達点で、組織が自ら達成するように設定し、可能な場合には定量化されるもの。

3.8 環境パフォーマンス:environmental performance

自らの環境方針、目的及び目標に基づいて、組織が行なう環境側面の管理に関する、環境マネジメントシステムの測定可能な結果。

3.9 環境方針:environmental policy

行動のため並びに環境目的及び目標設定のための枠組みを提供する全体的な環境パフォーマンスに関連する意図及び原則についての組織による声明。

3.10 環境目標:enviromental target

環境目的から導かれ、その目的を達成するために目的に合わせて設定される詳細なパフォーマンスの要求事項で、実施可能な場合に定量化され、組織またはその一部に適用されるもの。

3.11 利害関係者:interested party

組織の環境パフォーマンスに関心を持つかまたはその影響を受ける個人または団体。

3.12 組織:organization

法人か否か、公的か私的かを問わず、独立の機能及び管理体制を持つ、企業、会社、事業所、官公庁若しくは協会、またはその一部若しくは結合体。

(備考)
複数の事業単体を持つ場合には、単一の事業単位を1つの組織と定義してもよい。

3.13 汚染の予防:prevention of pollution

汚染を回避し、低減しまたは管理する、工程、操作、材料または製品を採用することで、リサイクル、処理、工程変更、制御機構、資源の有効利用及び材料代替を含めてもよい。

(備考)
汚染の予防の潜在的な利点には、有害な環境影響の低減、効率の改善及びコストの削減が含まれる。


4. 環境マネジメントシステム(EMS)の原則及び要素

EMSのモデルは、次のような原則に従う組織の基本的な見方に沿ったものである。

原則1−約束及び方針
組織は、その環境方針を定め、EMSに対する約束を確実にすることが望ましい。

原則2−計画
組織は、その環境方針を実行するために計画を策定することが望ましい。

原則3−実施
効果的に実施のため、組織は、その環境方針、目的及び目標を達成するために必要な能力及び支援機構を開発することが望ましい。

原則4−測定及び評価
組織は、その環境パフォーマンスを測定し、監視し及び評価することが望ましい。

原則5−見直し及び改善
組織は、全体的な環境パフォーマンスを改善する目的で、その環境マネジメントシステムを見直し、継続的に改善することが望ましい。

このことを念頭におくと、このEMSは、内部及び外部要因の変化に対応して組織の環境活動に効果的な方向を与えるために、継続的に監視され、定期的に見直されることが望ましい組織化の枠組みであると見るのが最も望ましい。 組織内のひとりひとりが環境改善の責任を受け入れることが望ましい。

4.1 約束及び方針

原則1 約束及び方針
組織は、その環境方針を定め、EMSに対する約束を確実にすることが望ましい。

4.1.1 一般

組織は、例えば、規制遵守に的をしぼること、責任の所在を限定すること、または原材料のより効率的な使用を図ることにより、明らかな利益があるところから始めることが望ましい。

組織が経験を積み、そのEMSが形を整え始めるに従って、手順、プログラム及び技術は環境パフォーマンスを更に改善するように整備がなされてくる。そこで、EMSが成熟するに伴なって、全ての事業決定に環境配慮がなされるようになる。

4.1.2 最高経営層の約束及びリーダーシップ

成功を確実にするために、EMSを開発し改善する初期段階には、活動、製品及びサービスの環境マネジメントを改善する旨の、組織の最高経営層からの約束を得ることが含まれる。最高経営層の持続する約束及びリーダーシップが決定的に重要である。

4.1.3 初期環境レビュー

環境に関する組織の現状は、初期環境レビューの手段によって明確にされうる。初期レビューでは次の事項を取り扱うことができる。

− 法規制上の要求事項の特定、
− 著しい環境影響及び責任がある、または、ありうるものを決定するための、組織の活動、製品またはサービスの環境側面の特定、
− 関連の内部基準、外部規格、規制、業務規定、一連の原則及び指針と比較したパフォーマンスの評価、
− 現行の環境マネジメントの慣行及び手順、
− 調達及び契約活動を取り扱う現行の方針及び手順の特定、
− 以前の不適合発生事象の調査からのフィードバック、
− 競争優位のための機会、
− 利害関係者の見解、
− 環境パフォーマンスを実現または阻害する可能性のある、組織内の他のシステムの機能または活動。

すべての場合に、起こりうる発生事象及び緊急事態も含め運用条件の全範囲を考慮することが望ましい。

初期環境レビューのプロセス及び結果を文書化し、EMSを開発する機会を特定することが望ましい。

実践の手引 初期環境レビュー

重要な第一歩は、レビューする分野の一覧表を作ることである。これには、組織の活動、特定の操業または特定のサイトを含むこともある。

レビューを行なう普通の技法として、次のようなものがある。

− 質問票、
− 面談、
− チェックリスト、
− 直接の検査及び測定、
− 記録のレビュー、
− ベンチマーキング。

中小企業も含めて、組織は、次のような多くの外部情報源に相談することができる。

− 法律及び許可に関する政府機関、
− 地方または地域の図書館またはデータベース、
− 情報交換のための他の組織、
− 業界団体、
− 大規模顧客、
− 使用設備の製造業者、
− 取引関係者(例えば、廃棄物の輸送業者及び廃棄物処理業者)、
− 専門的な支援。

ベンチマーキングとは、組織内、競合組織または他業種を問わず、最適慣行を研究し、組織がそれを採用し、または改良することを可能にする技法である。

4.1.4 環境方針

環境方針は、組織の全般的な方向性を確立し、行動の原則を設定する。それは、組織に要求される環境責任及びパフォーマンスの水準に関する狙いを定めるもので、この狙いに照らしてその後のすべての行動が判断されることになる。 政府、業界団体、市民グループを含む数多くの国際組織が、指導原則を作成してきている。そのような指導原則は、組織が環境への約束の全体的な適用範囲を定める手助けをしている。また、それらは、異なる組織に共通した一連の価値を与えるのに役立っている。 環境方針はそれを作成する組織と同様に個別的であるが、これらのような指導原則は組織が環境方針を開発する際に参考となる。

環境方針を定める責任は、通常、組織の最高経営層にある。組織の経営層は、方針を実施し、方針の策定及び修正に際して情報を提供する責任がある。

環境方針は次の事項を考慮することが望ましい。

− 組織の使命、ビジョン、中心的な価値及び信条、
− 利害関係者の要求事項及びコミュニケーション、
− 継続的改善、
− 汚染の予防、
− 指導原則、
− 他の組織方針(例えば、品質、労働安全衛生)との調整、
− 特定の地方または地域の条件、
− 関連の環境規制、法律及び組織が同意する他の基準との適合性。

環境方針において考慮されるべき事項

1 組織は、その活動、製品及びサービスに関連する環境方針を持っているか。
2 その方針は組織の価値及び指導原則を反映しているか。
3 その環境方針は最高経営層によって承認され、かつ、いずれかの人が特定され、方針を監督し実施する権限が与えられているか。
4 その方針は、環境目的及び目標の設定を導くか。
5 その方針は、適切な技術や経営慣行を注視するよう組織を導くか。
6 その環境方針には、どのような約束が具体化されているか、例えば、継続的改善の支持、汚染の予防の支持、法的要求事項について監視し、合致させ、またはそれに勝ること、及び利害関係者の期待への配慮。 

実践の手引 環境方針

すべての活動、製品またはサービスは、環境に影響を与えることがある。環境方針はこの点を認識することが望ましい。

附属書Aに示す指導原則の詳細なレビューは、適切な方針を作成するのに役立つことがある。方針で取り扱われる事項は、組織の性質に依存する。環境規制の遵守に加えて、方針は、次の事項に対する約束を述べることができる。

− 統合化された環境マネジメント手順及び計画の使用により、新規開発の著しい有害な環境影響を最小にする、
− 環境パフォーマンス評価手順及び関連指標を開発する、
− ライフサイクルの考え方を具体化する、
− 生産、使用及び廃棄における環境影響を最小にするような方法で製品を設計する、
− 汚染を予防し、廃棄物及び資源(原材料、燃料及びエネルギー)の消費を削減し、並びに実行できれば処分せずに再生及びリサイクルを約束する、
− 教育及び訓練、 − 環境上の経験を共有すること、
− 利害関係者の巻き込み及びコミュニケーション、
− 持続可能な開発に向けて取り組む、
− 供給者及び請負者によるEMSの使用を奨励する。

4.2 計画

原則2 計画

組織は、その環境方針を実行するために計画を策定することが望ましい。

4.2.1 一般

計画に関する環境マネジメントシステム要素は、次の事項を含む。

− 環境側面の特定及びそれに伴う環境影響の評価、
− 法的要求事項、
− 環境方針、
− 内部パフォーマンス基準、
− 環境目的及び目標、
− 環境計画及びマネジメントプログラム。

4.2.2 環境側面の特定及びそれに伴なう環境影響の評価

組織の方針、目的及び目標は、その活動、製品またはサービスに伴なう環境側面及び著しい環境影響についての知識に基づいていることが望ましい。 これにより、これらの側面に伴なう著しい環境影響が、環境目的を設定する際に確実に考慮されることになる。

環境側面の特定は、環境に対する組織活動の、過去、現在及び潜在の影響(プラスまたはマイナスの)を決定する継続プロセスである。 このプロセスは、また、組織に影響する、潜在的な規制、法律及び事業上の問題の表面化の特定を含む。それは、また、安全衛生影響の特定及び環境リスク評価を含むことができる。

環境側面の特定及び環境影響の評価において考慮されるべき事項

1 組織の活動、製品及びサービスの環境側面は何か。
2 組織の活動、製品及びサービスが、何らかの著しい有害な環境影響を生み出すか。
3 組織は、新規プロジェクトの環境影響を評価する手順を持っているか。
4 組織の所在地は、特別の環境配慮を必要とするか、例えば、環境影響に鋭敏な区域。
5 活動、製品及びサービスの意図的な変更または追加が、どのように環境側面及びそれに伴う環境影響に作用するか。
6 プロセス故障が起きるなら、潜在的な環境影響はいかに著しくまたは深刻であるか。
7 その影響を生じるような状況が、いかに頻繁に起きるか。
8 影響、可能性、深刻度及び頻度を考慮すると、著しい環境側面は何か。
9 その著しい環境影響は、範囲において局地的、地域的または地球的か。

実践の手引 環境側面の特定及びそれに伴なう環境影響の評価

環境側面と環境影響との関係は、一種の因果関係である。

環境側面は、有益か有害かを問わず環境に影響を与えうる、組織の活動、製品またはサービスの要素に関連する。例えば、排出、放出、原材料の消費若しくは再使用、または騒音である。

環境影響は、側面の結果として環境に生じる変化に関連する。影響の例としては、水の汚染若しくは汚濁、または天然資源の枯渇が挙げられる。

環境側面の特定及びそれに伴う環境影響の評価は、次の4つのステップで取り扱われるようなプロセスである。

ステップ1−活動、製品またはサービスを選択せよ

選択される活動、製品またはサービスは、意味ある調査ができる程度に大きく、十分に理解できる程度に小さいことが望ましい。

ステップ2−その活動、製品またはサービスの環境側面を特定せよ

その選択された活動、製品またはサービスに伴なうできるだけ多くの環境側面を特定せよ。

ステップ3−環境影響を特定せよ

各々の特定された環境側面に伴なうできるだけ多くの、顕在的及び潜在的、プラス及びマイナスの、環境影響を特定せよ。

これら3つのステップの例は、次のように示される。

活動、製品またはサービス側面影響
活動−有害物質の取扱い事故による漏出の可能性土壌または水の汚染
製品−製品の改良製品の減容化のための改造天然資源の節約
サービス−車両の保守排出ガスの放出大気放出の低減


ステップ4−影響の重大性を評価せよ

特定された環境影響の各々の重大性は、各組織によって差がありうる。定量化は、判断を助けることができる。

評価は、次の事項を考慮すると容易になることがある。

環境上の事項

− 影響の規模、
− 影響の深刻度、
− 発生の確率、
− 影響の持続期間。

事業上の事項

− 潜在的な規制または法律の表面化、
− 影響を変えることの困難さ、
− 影響を変えるコスト、
− 他の活動及びプロセスの変更の効果、
− 利害関係者の関心事、
− 人々の抱く組織イメージへの効果。

4.2.3 法的及びその他の要求事項

組織は、その活動、製品またはサービスの環境側面に直接関係する、すべての法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し、入手し、理解するための手順を定め維持することが望ましい。

法的及びその他の要求事項において配慮されるべき事項

1 組織は、関連の法的及びその他の要求事項をどのように入手し、特定するか、
2 組織は、法的及びその他の要求事項をどのように追跡するか、
3 組織は、法的及びその他の要求事項の変更をどのように追跡するか、
4 組織は、法的及びその他の要求事項の関連情報をどのように従業員に伝達するか。

実践の手引 法的及びその他の要求事項

規制の遵守を維持するため、組織は、その活動、製品またはサービスに適用される規制上の要求事項を特定し理解することが望ましい。規制は、種々の形態をとることがある。

− 活動に特定のもの(例えばサイト操業許可)、
− 組織の製品またはサービスに特定のもの、
− 組織の事業に特定のもの、
− 一般的な環境法律、
− 認可、免許及び許可。

環境規制及び継続する変化を特定するため、次のような種々の情報源を利用することができる。

− すべてのレベルの政府機関、
− 業界の団体またはグループ、
− 商業データベース、
− 専門的なサービス。

法的要求事項を追跡しやすくするため、組織は、その活動、製品またはサービスに関連するすべての法規制の一覧表を作り保持することができる。

4.2.4 内部のパフォーマンス基準

外部の規格が組織のニーズに合わないか、または規格がない場合、内部の優先事項及び基準を作成し実施することが望ましい。内部のパフォーマンス基準は、外部の規格とともに、組織が自らの目的及び目標を作成する助けとなる。

実践の手引 内部のパフォーマンス基準

組織が内部のパフォーマンス基準を持つことができる分野の例には、次のようなものがあろう。

− マネジメントシステム、
− 従業員の責任、
− 取得、資産管理及び譲渡、
− 供給者、
− 請負者、
− 製品の管理、
− 環境に関するコミュニケーション、
− 規制の関係、
− 環境発生事象に対する対処及び準備、
− 環境への自覚及び訓練、
− 環境測定及び改善、
− プロセスリスクの削減、
− 汚染の予防及び省資源、
− 投資計画、
− プロセス変更、
− 有害物質管理、
− 廃棄物管理、
− 水の管理(例えば、排水、豪雨、地下水)、
− 大気質管理、
− エネルギー管理、
− 輸送。

4.2.5 環境目的及び目標

目的は、組織の環境方針に適合するように確立されることが望ましい。これらの目的は、環境方針の中で特定された環境パフォーマンスの全般的な到達点である。 その目的を設定する際、組織は、また、環境レビューからの関連する所見、並びに特定された環境側面及びそれに伴う環境影響を考慮することが望ましい。

そこで、これらの目的を決められた期間内に達成するように、環境目標を設定することができる。目標は、特定的及び測定可能であることが望ましい。

目的及び目標が設定されたならば、組織は、測定可能な環境パフォーマンス指標の確立を考慮することが望ましい。 これらの指標は、環境パフォーマンス評価システムの基礎として利用でき、環境マネジメント及び運用システムの両者に関する情報を提供することができる。

目的及び目標は、広くは組織にまたがり、または、より狭くはサイトに特有な、若しくは個々の活動に対して適用される。 適切なレベルの管理層が、目的及び目標を設定することが望ましい。目的及び目標は、定期的に見直され改訂され、そして利害関係者の見解を考慮することが望ましい。

環境目的及び目標において考慮されるべき事項

1 環境目的及び目標は、環境方針及び組織の活動、製品またはサービスに伴なう著しい環境影響の両者をどのように反映するか。
2 その目的及び目標の達成に責任のある従業員が、その作成にどのように参画してきたか。
3 利害関係者の見解がどのように考慮されているか。
4 目的及び目標のため、どのような特定の測定可能な指標が設定されているか。
5 目的及び目標は、環境パフォーマンスにおいて望ましい改善を反映するために、どのように定期的に見直され改訂されているか。

実践の手引 目的及び目標

目的には、次のような約束を含むことができる。

− 廃棄物及び資源枯渇を抑制する、
− 環境への汚染物の放出を削減しまたは除去する、
− 生産、使用及び処分における環境影響を最小にするよう製品を設計する、
− 原材料の源の環境影響を管理する、
− 新規開発の著しい有害な環境影響を最小にする、
− 従業員及び地域社会における環境意識を促進する。

目的に対する進捗は、通常、次のような環境パフォーマンス指標を使用して測定できる。

− 使用される原材料またはエネルギーの量、
− 二酸化炭素(CO2)などの排出の量、
− 完成品の量当たりの発生廃棄物、
− 原材料及びエネルギーの使用効率、
− 環境発生事象の件数(例えば制限の逸脱)、
− 環境事故の件数(例えば計画外放出)、
− リサイクルされる廃棄物の百分率、
− 包装に使用されるリサイクル材の百分率、
− 製品の単位量当たりの輸送距離、
− 特定の汚染物量、例えば、窒素酸化物(NOx)、二酸化硫黄(SOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、鉛(Pb)、フロン類(CFCs)、
− 環境保護への投資、
− 起訴の件数、
− 野生生物生息のために留保した土地面積。

組み合わせた例

目的:製造の作業に要するエネルギーを削減する
目標:エネルギー消費の前年比10%削減を達成する
指標:単位生産量当たりの燃料及び電気の量

4.2.6 環境マネジメントプログラム

活動の全体計画の中で、組織は、全ての環境目的を取り扱う環境マネジメントプログラムを設定することが望ましい。最も効果的であるには、環境マネジメント計画が組織の戦略計画に組み込まれることが望ましい。 環境マネジメントプログラムは、組織の環境目的及び目標を達成するための日程、資源及び責任を扱うことが望ましい。

環境マネジメント計画によって用意される枠組みの中で、環境マネジメントプログラムは、組織にとっての優先順に特定の行動を指定する。 これらの行動は、個々のプロセス、プロジェクト、製品、サービス、サイトまたはあるサイト内の施設を対象としてもよい。

環境マネジメントプログラムは、組織がその環境パフォーマンスを改善するのに役立つ。それらは、組織の目的及び目標の変化を反映するようにダイナミックであり、かつ、定期的に改訂されることが望ましい。

環境マネジメントプログラムにおいて考慮されるべき事項

1 環境マネジメントプログラムを作成するための組織のプロセスはどんなものか。
2 環境マネジメント計画プロセスには、全ての責任ある関係者が参画するか。
3 プログラムの定期的レビューのプロセスがあるか。
4 これらのプログラムは、資源、責任、タイミング及び優先順位の事項をどのように扱うか。
5 環境マネジメントプログラムは、環境方針及び一般的な計画活動にどのように対応しているか。
6 環境マネジメントプログラムは、どのように監視され、改訂されるか。

実践の手引 環境マネジメントプログラム

次は、環境マネジメントプログラムを作成するプロセスの一例である。

約束及び方針計画
環境方針での約束(※1)
天然資源を節約する。

目的1技術的、商業的に可能な限り水の使用を最小にする。

目的2選定サイトにおける水の消費量を1年以内に現在水準の15%削減する。

環境プログラム1水の再使用。

行動1工程Aのすすぎに用いた水を、工程Bで再使用するため、リサイクルするための装置を設置する。
(※1)同様のプロセスが、全ての方針での約束、目的及び目標について繰り返されることが望ましい。

4.3 実施

原則3 実施

効果的な実施のため、組織は、その環境方針、目的及び目標を達成するために必要な能力及び支援機構を開発することが望ましい。

4.3.1 一般

組織が必要とする能力及び支援は、利害関係者の要求事項の変化、ダイナミックな事業環境及び継続的改善のプロセスに応じて、常に進展する。 その環境目的を達成するため、組織は、人員、システム、戦略、資源及び体制に焦点を置き整合させることが望ましい。

多くの組織にとって、環境マネジメントの実施は、段階的に取り組むことが可能であり、かつ、環境要求事項、側面、期待及び利益の自覚の程度、並びに資源の利用可能性に基づくことが望ましい。

4.3.2 実施能力の確保

4.3.2.1 資源−人的、物的及び財政的

組織の環境方針の実施及び環境目的の達成のために不可欠な、適切な人的、物的(例えば、施設、装置)及び財政的資源は、明確にされ、入手できるのが望ましい。 資源を配分する際、組織は、その環境上のまたは関連した活動のコストを追跡するだけでなく、利益をも追跡する手順を開発できる。その中には汚染管理、廃棄物及び処分のコストのような事項も含まれる。

人的、物的及び財政的資源において考慮されるべき事項

1 組織は、新規のプロジェクトも含めて、その環境目的及び目標に適合させるために必要な人的、物的及び財政的資源をどのように特定し配分するか。
2 組織は、環境活動のコスト及び利益をどのように追跡するか。

実践の手引 人的、物的及び財政的資源

中小企業の資源基盤及び組織体制は、実施に際してある程度の限界がある。この制約に対処するため、中小企業は、可能であれば、次のような相手との共同戦略を考慮することが望ましい。

− 技術及びノウハウを共有するための大手の依頼者組織、
− 供給系列または地域ベースの他の中小企業で、共通問題を明確にして取扱い、ノウハウを共有し、技術開発を容易にし、施設を共同で利用し、EMSを研究する方法を確立し、共同でコンサルタントと契約するもの、
− 訓練及び自覚プログラムのための、標準化機関、中小企業団体、商業会議所、
− 生産及び革新支援のための、大学及び他の研究センター。

4.3.2.2 EMSの調整及び統合

環境上の関心事を効果的に管理するため、EMSの要素は、既存のマネジメントシステム要素と効果的に調整され統合化されるように、設計または改訂されることが望ましい。

統合化により利益を受けるマネジメントシステム要素は、次のとおりである。

− 組織方針、
− 資源配分、
− 運用管理及び文書化、
− 情報及び支援システム、
− 訓練及び開発、
− 組織及び責務体制、
− 報償及び評定システム、
− コミュニケーション及び報告。

組織の調整及び統合において考慮されるべき事項

1 環境マネジメントシステムは、全体的な事業マネジメントプロセスにどのように統合されているか。
2 目的及び優先度において、環境面と他の事業面との間で衝突した場合、これを均衡させ解決するプロセスは何か。

4.3.2.3 責務及び責任

EMSの全体的な有効性に対する責任は、十分な権限、能力及び資源を持った上級幹部(複数も可)または部門(複数も可)に割り当てられることが望ましい。

運用管理者は、関連要員の責任を明確に定め、そしてEMSの効果的な実施及び環境パフォーマンスに関する責任及び責務を持つことが望ましい。 全てのレベルの従業員は、自らの責任の範囲内で、全体的な環境マネジメントシステムの支援を受けて、環境パフォーマンスに責務を負うことが望ましい。

責務及び責任において考慮されるべき事項

1 環境に影響する業務を管理し、実施し及び検証する要員の責任及び責務は何か、そしてそれらは明確にされ文書化されているか。
2 環境責任と個々のパフォーマンスの間の関係は何か、これは定期的に見直されているか。
3 これらの責任及び責務を持った要員が、いかに次の事項を行なうか。
− 実施のための十分な訓練、資源及び要員を得ること。
− 環境方針の遵守を確実にするための行動を開始すること。
− 環境問題を予想し、特定し及び記録すること。
− それらの問題に対する解決策を立て、推奨し及び提供すること。
− そのような解決策の実施を検証すること。
− 環境上の欠落または不満足な状態が是正されるまでは、活動をさし控えること。
− 緊急事態における適切な行動訓練を受けること。
− 非遵守のもたらす結果を理解すること。
− 自分に適用される責務を理解すること。
− 自発的な行動及び率先を奨励すること。

実践の手引 責務及び責任

EMSの効果的な開発及び実施を確実にするため、適切な責任を割り当てる必要がある。環境上の責任を設定するための可能なアプローチの一例を次に示す。 会社及び境界は、それぞれ異なった組織構造を持っていること、及びそれぞれの固有の業務プロセスに基づいて環境上の責任を理解し明確にする必要があることを認識するのが望ましい。

次は、環境責任のモデル例である。

環境責任の例典型的な責任者(複数も可)
全体的な方向を確立する社長、最高経営責任者、役員会
環境方針を策定する社長、最高経営責任者、最高環境責任者
環境目的、目標及びプログラムを策定する関係管理者
全体的なEMSパフォーマンスを監視する主任環境管理者
規制遵守を保証する上級運用管理者
継続的改善を確実にする全ての管理者
顧客の期待を特定する販売及びマーケティングスタッフ
供給者の期待を特定する調達、購買担当
会計手順を策定及び維持する財務/会計管理者
所定の手順を遵守する全てのスタッフ
備考 中小企業の場合、責任者はオーナーということがある。

4.3.2.4 環境自覚及び動機づけ

最高経営層は、組織における環境価値を説明し、環境方針における約束を伝えることにより、従業員の自覚と動機づけを図る上で主要な役割を担う。 環境価値を共有するという状況の中で、個々の従業員の関与があってこそ、環境マネジメントシステムが書類上の作業から効果的なプロセスに転換される。

組織の全ての構成員は、それぞれが責任及び/または責務を持つ環境目的及び目標を達成することの重要性を理解し、推奨されて受け入れることが望ましい。 構成員は、必要な場合、次々に組織の他の構成員に同様な方法で対応するように奨励するのが望ましい。

継続的に改善するための動機づけは、従業員が、環境目的及び目標を達成した際に認められ、環境パフォーマンスの改善提案を行なうよう奨励される場合に高められる。

環境自覚及び動機づけにおいて考慮されるべき事項

1 最高経営層は、環境方針への組織の約束をどのように確立し、強化し及び伝達しているか。
2 従業員は、組織の環境価値をどの程度理解し、受入れ及び共有するか。
3 共有された環境価値は、環境に責任のある行動を動機づけるのにどの程度役立つか。
4 組織は、従業員の環境上の業績をいかに認めるか。

4.3.2.5 知識、技能及び訓練

環境目的を達成するのに必要な知識及び技能が、特定されることが望ましい。それらは、要員の選定、採用、訓練、技能開発及び継続する教育において考慮されることが望ましい。

環境方針、目的及び目標の達成にとって適切な訓練は、組織内の全ての要員に対して行なわれることが望ましい。従業員は、適切な基礎知識を持つことが望ましい。 これには、業務を効率的かつ有能に履行するために必要な手法及び技能の訓練、並びに業務の不適切な履行が及ぼす環境への影響についての知識が含まれる。

組織は、また、サイトで作業をする請負者に、”環境に責任あるやり方”で作業するのに要求される知識及び技能を持っている証拠を確実に示させることが望ましい。

教育及び訓練は、従業員が規制要求事項、内部標準並びに組織の方針及び目的についての適切で最新の知識を確実に持つようにする必要がある。 訓練のレベルと詳細は、業務によって異なってもよい。

訓練プログラムは、典型的には、次の要素を持つ。

− 従業員訓練のニーズの特定、
− 定められたニーズを取り扱う訓練計画の作成、
− 規制または組織の要求事項への訓練プログラムの適合性の検証、
− 対象従業員グループの訓練、
− 受けた訓練の文書化、
− 受けた訓練の評価。

知識、技能及び訓練において考慮されるべき事項

1 組織は、環境訓練のニーズをどのように特定するか。
2 特定作業部門の訓練のニーズは、どのように分析されるか。
3 訓練は、必要に応じて開発され、レビューされ及び変更されるか。
4 訓練は、どのように文書化され追跡されるか。

実践の手引 知識、技能及び訓練

組織により提供しうる環境訓練の種類の例は、次のとおりである。

訓練の種類対象者目的
環境マネジメントの戦略的重要性の自覚を高めること。上級管理者組織の環境方針に対する約束及び連携を得ること。
一般的な環境に対する自覚を高めること。全従業員組織の環境方針、目的及び目標に対する関与を得て、個々に責任感を持たせること。
技能の向上環境責任を持つ従業員組織の特定分野におけるパフォーマンスを改善すること。例えば、運転操作、研究開発及びエンジニアリング。
遵守遵守に影響する行動をする従業員訓練のための規制上及び内部の要求事項が合致することを確実にすること。

4.3.3 支援行動

4.3.3.1 コミュニケーション及び報告

コミュニケーションとは、組織の環境活動を組織内部、及び希望された場合には外部にも報告するプロセスを確立することで、その目的は次のとおりである。

− 環境に対する経営層の約束を示す、
− 組織の活動、製品またはサービスの環境側面についての関心事及び質問に対処する、
− 組織の環境方針、目的、目標及びプログラムについての自覚を高める、
− 内部または外部の利害関係者に組織の環境マネジメントシステム及びパフォーマンスについて、適宜通知する。

EMSの監視、監査及び経営層による見直しの結果は、パフォーマンスに責任を持つ組織内の人に伝達されることが望ましい。

適切な情報を組織の従業員及び他の利害関係者に提供することは、従業員の動機づけに役立ち、環境パフォーマンスの改善のための組織の努力について一般の人に理解し受け入れさせることに役立つ。

コミュニケーション及び報告において考慮されるべき事項

1 従業員の関心事を受け付けて対応するためのプロセスは何か。
2 他の利害関係者の関心事を受け付けて考慮するためのプロセスは何か。
3 組織の環境方針及びパフォーマンスを伝達するためのプロセスは何か。
4 EMS監査及び見直しの結果を組織内の全ての関係者にどのように伝達するか。
5 環境方針を一般の人に入手できるようにするプロセスは何か。
6 内部のコミュニケーションは、環境問題をめぐる継続的改善を支援するのに適切か。

実践の手引 コミュニケーション及び報告

a) 報告書に含めうる項目は、次のとおりである。

− 組織の概要、
− 環境方針、目的及び目標、
− 環境マネジメントプロセス(利害関係者の巻き込み及び従業員の理解を含む)、
− 環境パフォーマンス評価(排出、資源の節約、遵守、製品の管理及びリスクを含む)、
− 改善への機会、
− 用語集のような補足情報、
− 内容に関する独立した検証。

b) 内部及び外部の環境に関するコミュニケーション及び報告に関して忘れてならない重要なことは、次のとおりである。

− 双方向のコミュニケーションを奨励されることが望ましい、
− 情報は、理解しやすく、適切に説明されることが望ましい、
− 情報は検証可能であることが望ましい、
− 組織は、そのパフォーマンスの正確な状況を提示することが望ましい、
− 情報は一貫した様式で提示されることが望ましい(例えば、ある時期と他の時期とを比較できるようにするための同様な測定単位)。

c) 組織は次のような種々の方法で環境情報を伝達することができる。

− 外部には、年次報告、法規上の届け出、公開された政府機関の記録、業界団体の刊行物、報道機関及び有料広告を通じて、
− 公開日の設定、苦情及び問い合わせを受け付けられるような電話番号の公表、
− 内部には、掲示板の掲示、社内新聞、会議及び電子メールのメッセージを通じて。

4.3.3.2 EMS文書

運用のプロセス及び手順は、明確にされ適切に文書化され、必要に応じて最新のものにすることが望ましい。 組織は、効果的な運用手順及び管理を確立し指定する種々のタイプの文書を、明確に定めることが望ましい。

EMS文書があれば、組織の環境目的を達成するため何が必要かを従業員に自覚させるのに役立ち、また、システム及び環境パフォーマンスの評価が可能となる。

文書化の性格は、組織の規模や複雑さで異なることがある。EMSの要素が組織の全体的な経営システムに統合される場合、環境の文書は、既存の文書に組み込むことが望ましい。 使いやすくするため、組織は次の目的で、文書の要約を作成し維持することを考慮できる。

− 環境方針、目的及び目標を照合する、
− 環境目的及び目標の達成手段を記述する、
− 主たる役割、責任及び手順を文書化する、
− 関係する文書の所在を示し、必要な場合は組織のマネジメントシステムの他の要素を記述する、
− 組織にとって適切な環境マネジメントシステムの要素が実施されていることを実証する。

このような要約文書は、組織の環境マネジメントシステムの実施及び維持についての参考として役立つことがある。

EMS文書において考慮されるべき事項

1 環境マネジメント手順が、どのように特定され、文書化され、伝達され、改訂されるか。
2 組織は、EMS文書を作成し維持するプロセスを持っているか。
3 EMS文書は、必要な場合どのように既存の文書に統合されるか。
4 従業員は、その業務活動をするため必要なEMS文書をどのように入手するか。

実践の手引 EMS文書

文書は、どんな媒体であってもよく、有用でたやすく理解できることが望ましい。

全ての文書は、日付(改訂の日付とともに)があって、容易に識別でき、組織的に整理され、一定期間保管されるのが望ましい。 組織は、次の事項を確実にすることが望ましい。

− 文書は適切な組織、部門、職務、活動、及び/または担当別に特定できる、
− 文書は定期的にレビューされ、必要に応じて改訂され、発行の前に所定の責任者によって承認される、
− システムが効果的に機能するために不可欠な業務が行なわれている全ての場所で、関連文書の最新版が利用できる、
− 廃止文書は、全ての発行部署及び使用部署から速やかに撤去される。

4.3.3.3 運用管理

組織の環境方針、目的及び目標が確実に満たされるように、運用手順及び管理を確立し維持することで実施が達成される。

実践の手引 運用管理

組織は、運用管理及び手順を作成しまたは修正するときには、著しい環境を与える異なった運用及び活動を考慮することが望ましい。 このような運用及び活動には次の事項を含めてもよい。

− 研究開発、設計及びエンジニアリング、
− 購買、
− 契約、
− 原材料の取扱い及び貯蔵、
− 生産及びメンテナンスのプロセス、
− 実験室、
− 製品の保管、
− 輸送、
− マーケティング、広告、
− 顧客サービス、
− 資産及び施設の、取得、建設または変更。

活動は次の3つのカテゴリーに分けることができる。

− 新規の投資プロジェクト、工程変更及び資源の管理、財産(取得、譲渡、財産管理)、並びに新製品及び包装において、汚染を予防し資源を節約する活動、
− 組織の内部及び外部要求事項に対する適合性を保証し、その効率性と有効性を確実にする日常の管理活動、
− 変化する環境上の要求事項を予測しこれに対応する戦略的管理活動。

4.3.3.4 緊急事態への準備及び対応

緊急時の計画及び手順は、予期しないまたは突発の発生事象に対する適切な対応が確実にできるように確立されることが望ましい。

組織は、環境に関する発生事象及び潜在的な緊急事態に対処する手順を定め維持することが望ましい。運用手順及び管理は、必要な場合、次の事項の考慮を含むことが望ましい。

− 事故による大気中への放出、
− 事故による水系及び土地への排出、
− 事故による放出が特定の環境及び生態系に与える影響。

手順には、次の結果として発生しまたは発生するおそれのある発生事象を考慮することが望ましい。

− 非通常の操業状態、
− 事故及び潜在的な緊急事態。

実践の手引 緊急事態への準備及び対応

緊急時計画には次の事項を含めることができる。

− 緊急時の体制及び責任、
− 主要要員のリスト、
− 緊急時作業の詳細(例えば消防部門、漏出の浄化作業)、
− 内部及び外部のコミュニケーションの計画、
− 種々のタイプの緊急事態に際しとられる行動、
− 各物質の環境への潜在的影響を含む有害物質に関する情報、及び事故による放出に際しとられる手段、
− 訓練計画及び有効性のテスト。

4.4 測定及び評価

原則4 測定及び評価
組織は、その環境パフォーマンスを測定し、監視し及び評価することが望ましい。

4.4.1 一般

測定、監視及び評価は、組織が表明した環境マネジメントプログラムに従って活動していることを確実にする環境マネジメントシステムのかぎ(鍵)となる活動である。

4.4.2 測定及び監視(現行パフォーマンスの)

マネジメントシステム及び運用プロセスの領域において、組織の環境目的及び目標に対比して現行のパフォーマンスを測定し監視するシステムが整備されることが望ましい。 これには関連する環境の法律及び規制に対する遵守を評価することを含む。その結果は、成功した領域を決定し、是正処置及び改善を要する活動を特定するために、分析され使用されることが望ましい。

機器の校(較)正、試験設備、並びにソフトウェア及びハードウェアのサンプリングのような、データの信頼性を確実にするための適切なプロセスを整備することが望ましい。

組織にとっての適切な環境パフォーマンス指標を特定することは、現行のプロセスであることが望ましい。このような指標は、客観的であり、検証でき及び再現できることが望ましい。 指標は、組織の活動に関連があり、環境方針に整合し、実際的であり、コスト効果があり、技術的に実行可能であることが望ましい。

備考
環境パフォーマンス指標の例は、”実践の手引 目的及び目標(4.2.5)に示されている。

測定及び監視において考慮されるべき事項

1 環境パフォーマンスがどのように定期的に監視されるか。
2 組織の目的及び目標に関連する特定の環境パフォーマンス指標がどのように策定されているか。そしてそれらの指標は何か。
3 測定及び監視の機器及びシステムを定期的に校(較)正しサンプリングするために、どのような管理プロセスが整備されているか。
4 関連する法律及びその他の同意事項に適合しているかを定期的に評価するプロセスは何か。

4.4.3 是正及び予防処置

環境マネジメントシステムの測定、監視、監査及び見直しの結果として得られる所見、結論及び勧告は、文書化され、必要な是正及び予防処置も明確にされるのが望ましい。 経営層は、これらの是正及び予防処置が実施されたこと、並びにその有効性を確保するため体系的なフォローアップが行われること、を保証するのが望ましい。

4.4.4 EMS記録及び情報の管理

記録はEMSの運用の証拠であり、次の事項を含むことが望ましい。

− 法規制上の要求事項、
− 許可、
− 環境側面及びそれに伴う影響、
− 環境の訓練活動、
− 検査、校(較)正及びメンテナンスの活動、
− 監視データ、
− 不適合の詳細:発生事象、苦情及びフォローアップ処置、
− 製品の特定:組成及び性質のデータ、
− 供給者及び請負者の情報、
− 環境監査及び経営層による見直し。

結果として複雑で広範な情報が生じうる。これらの記録の効果的な管理は、EMSの実施の成功に不可欠である。十分な環境情報管理のかぎ(鍵)となる特徴には、関連のEMSの文書及び記録の、特定、収集、索引付け、ファイリング、保管、メンテナンス、検索、保持及び処分の手段が含まれる。

EMS記録及び情報の管理において考慮される事項

1 効果的に管理するために、組織はどのような環境情報を必要とするか。
2 組織は、その目的を達成するため必要な、パフォーマンスのかぎ(鍵)となる指標及びその他のデータを特定し、追跡するため、どのような能力持っているか。
3 組織の記録/情報管理システムは、情報が必要な従業員に対して、必要なときに、どのようにその情報を提供できるようにしているか。

4.4.5 環境マネジメントシステムの監査

システムが計画された取決めに適合しているか、適切に実施され維持されているかを判定するため、EMSの監査が定期的に実施されることが望ましい。

EMSの監査は、組織の要員、及び/または組織が選んだ外部関係者によって行うことができる。いずれの場合も、監査を実施する者は、客観的かつ公平に監査する立場にあり、また適切に訓練されていることが望ましい。

監査の頻度は、環境側面及び潜在的な影響の立場からみて業務の性質によって決められることが望ましい。また、頻度を決めるのに当たって以前の監査結果を考慮することが望ましい。

EMS監査報告書は、監査計画に従って提出されることが望ましい。

4.5 見直し及び改善

原則5 見直し及び改善
組織は、全体的な環境パフォーマンスを改善する目的で、その環境マネジメントシステムを見直し、継続的に改善することが望ましい。

4.5.1 一般

継続的改善プロセスは、環境パフォーマンスの全体的な改善を達成するために、環境マネジメントシステムに適用することが望ましい。

4.5.2 環境マネジメントシステムの見直し

組織の経営層は、適切な間隔で、システムの継続する適切性及び有効性を確実にするためにEMSの見直しを実施することが望ましい。

EMSの見直しは、財務上の成績及び競争上の地位への影響も含めて、組織の全ての活動、製品またはサービスの環境面を取り扱うような充分に広い範囲であることが望ましい。

EMSの見直しには次の事項を含むことが望ましい。

− 環境目的、目標及び環境パフォーマンスの見直し、
− EMS監査の所見、
− その有効性の評価、
− 環境方針の適切性及び次の事項に照らしての変更の必要性の評価
 − 法規の変更、
 − 利害関係者の期待及び要求事項の変化、
 − 組織の製品または活動の変化、
 − 科学及び技術の進歩、
 − 環境の発生事象から得られた教訓、
 − 市場の好み、
 − 報告及びコミュニケーション

EMSの見直しにおいて考慮されるべき事項

1 EMSはどのように定期的に見直されるか。
2 EMSの見直し及びフォローアップに、適切な従業員がどのように関与するか。
3 EMSの見直しにおいて利害関係者の見解がどのように考慮されるか。

4.5.3 継続的改善

継続的改善の概念は、EMSの中に具体化されている。その概念は、改善の機会を明確にする目的でEMSの環境パフォーマンスを、その環境方針、目的及び目標に照らして、継続的に評価することにより達成される。

継続的改善プロセスは次のように行なうことが望ましい。

− 環境パフォーマンスの改善につながる環境マネジメントシステムの改善の機会がある領域を特定する、
− 不適合または欠陥の、根本原因または諸原因を決定する、
− 根本原因を取り扱う是正及び予防処置の計画を作成し実施する、
− 是正及び予防処置の有効性を検証する、
− プロセス改善の結果として生じる手順のあらゆる変更を文書化する、
− 目的及び目標と比較する。

是正及び予防処置並びに継続的改善において考慮されるべき事項

1 組織は、是正及び予防処置並びに改善を特定するためにどのようなプロセスを持っているか。
2 組織は、是正及び予防処置並びに改善が有効であり時宜を得たものであることをどのように検証するか。


附属書A(参考) 国際的環境指導原則の例

指導原則は、環境方針の基礎にできるような、また行動のための根拠をも提供する公式の宣言である。

A.1 環境と開発に関するリオ宣言

環境と開発に関する国連会議は、1992年6月3日から14日までリオデジャネイロで開催され、1972年にストックホルムで採択された国連人間環境会議の宣言を再確認するとともにこれを発展させることを求め、各国、社会の重要部門及び国民間の新たな水準の協力を作り出すことによって新しい公平な地球的規模のパートナーシップを構築するという目標を持ち、全ての者のための利益を尊重し、かつ地球的規模の環境及び開発のシステムの一体性を保持する国際的合意に向けて作業し、我々の家庭である地球の不可分性、相互依存性を認識し、以下のとおり宣言する。

第1原則

人類は持続可能な開発への関心の中心にある。人類は、自然と調和しつつ健康で生産的な生活を送る資格を有する。

第2原則

各国は、国連憲章及び国際法の原則に則り、自国の環境及び開発政策に従って、自国の資源を開発する主権的権利及びその管轄または支配下における活動が他の国、または自国の管轄権の限界を超えた地域の環境に害を与えないようにする責任を有する。

第3原則

開発の権利は、現在及び将来の世代の開発及び環境上の必要性を公平に充たすことができるよう行使されなければならない。

第4原則

持続可能な開発を達成するため、環境保護は、開発過程の不可分の部分とならなければならず、それから分離しては考えられないものである。

第5原則

全ての国及び全ての国民は、生活水準の格差を縮小し、世界の大部分の人々の必要性をより良く充たすため、持続可能な開発に必要不可欠なものとして、貧困の撲滅という重要な課題において協力しなければならない。

第6原則

開発途上国、特に最貧国及び環境の影響を受けやすい国の特別な状況及び必要性に対して、特別の優先度が与えられなければならない。環境と開発における国際的行動は、全ての国の利益と必要性にも取り組むべきである。

第7原則

各国は、地球の生態系の健全性及び完全性を保全、保護及び修復するグローバルパートナーシップの精神に則り、協力しなければならない。地球環境の悪化への異なった寄与という観点から、各国は共通のしかし差異のある責任を有する。 先進諸国は、彼らの社会が地球環境へかけている圧力及び彼らの支配している技術及び財源の観点から、持続可能な開発の国際的な追求において有している責任を認識する。

第8原則

各国は、全ての人々のために持続可能な開発及び質の高い生活を達成するために、持続可能でない生産及び消費の様式を減らし、取り除き、そして適切な人口政策を推進すべきである。

第9原則

各国は、科学的、技術的な知見の交換を通じた科学的な理解を改善させ、そして、新しくかつ革新的なものを含む技術の開発、適用、普及及び移転を強化することにより、持続可能な開発のための各国内の対応能力の強化のために協力すべきである。

第10原則

環境問題は、それぞれのレベルで、関心のある全ての市民が参加することにより最も適切に扱われる。国内レベルでは、各個人が、有害物質や地域社会における活動の情報を含め、公共機関が有している環境関連情報を適切に入手し、そして、意思決定過程に参加する機会を有しなくてはならない。 各国は、情報を広く行き渡らせることにより、国民の啓発と参加を促進し、かつ奨励しなくてはならない。賠償、救済を含む手法及び行政手続きへの効果的なアクセスが与えられなければならない。

第11原則

各国は効果的な環境法を制定しなくてはならない。環境基準、管理目的及び優先度は、適用される環境及び開発の状況を反映するものとすべきである。一部の国が適用した基準は、他の国、特に開発途上国にとっては不適切であり、不当な経済的及び社会的な費用をもたらすかもしれない。

第12原則

各国は、環境悪化の問題により適切に対処するため、全ての国における経済成長と持続可能な開発をもたらすような協力的で開かれた国際経済システムを促進するために、協力すべきである。 環境の目的のための貿易政策上の措置は、恣意的な、あるいは不当な差別または国際貿易に対する偽装された制限であってはならない。輸入国の管轄外の環境問題に対処する一方的な行動は避けるべきである。国境を越える、あるいは地球規模の環境問題に対処する環境対策は、可能な限り、国際的な合意に基づくべきである。

第13原則

各国は、汚染及びその他の環境悪化の被害者への責任及び賠償に関する国内法を策定しなくてはならない。更に、各国は、迅速かつより確固とした方法で、自国の管轄あるいは支配下における活動により、管轄外の地域に及ぼされた環境悪化の影響に対する責任及び賠償に関する国際法を、更に発展させるべく協力しなければならない。

第14原則

各国は、深刻な環境悪化を引き起こす、あるいは人間の健康に有害であるとされているいかなる活動及び物質も、他の国への移動及び移転を控えるべく、あるいは防止すべく効果的に協力すべきである。

第15原則

環境を保護するため、予防的方策は、各国により、その能力応じて広く適用されなければならない。深刻な、あるいは不可逆的な被害の恐れがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化を防止するための費用対効果の大きい対策を延期する理由として使われてはならない。

第16原則

各国の機関は、汚染者が原則として汚染による費用を負担するとの方策を考慮しつつ、また、公益に適切に配慮し、国際的な貿易及び投資を歪めることなく、環境費用の内部化と経済的手段の使用の促進に努めるべきである。

第17原則

環境影響評価は、国の手段として環境に重大な悪影響を及ぼすかもしれず、かつ権限ある国家機関の決定に服す活動に対して実施されなければならない。

第18原則

各国は、突発の有害な影響を他国にもたらすかもしれない自然災害、あるいはその他の緊急事態を、それらの国に直ちに通告しなければならない。被災した国を支援するため国際社会によるあらゆる努力がなされなければならない。

第19原則

各国は、国境を越える環境への重大な影響をもたらしうる活動について、潜在的に影響を被るかもしれない国に対し、事前の時宜にかなった通告と関連情報の提供を行なわなければならず、また早期の段階で誠意を持ってこれらの国と協議を行なわなければならない。

第20原則

女性は、環境管理と開発において重要な役割を有する。そのため、彼女らの十分な参加は、持続可能な開発の達成のために必須である。

第21原則

持続可能な開発を達成し、全ての者のためのより良い将来を確保するため、世界の青年の想像力、理想及び勇気が地球的規模のパートナーシップを構築するよう集結されるべきである。

第22原則

先住民とその社会及びその他の地域社会は、その知識及び伝統に鑑み、環境管理と開発において重要な役割を有する。各国は彼らの同一性、文化及び利益を認め、十分に支持し、持続可能な開発の達成への効果的参加を可能とさせるべきである。

第23原則

抑圧、制圧及び占領の下にある人々の環境及び天然資源は保護されなければならない。

第24原則

戦争は、元来、持続可能な開発を破壊する性格を有する。そのため、各国は、武力紛争時における環境保護に関する国際法を尊重し、必要に応じ、その一層の発展のため協力しなければならない。

第25原則

平和、開発及び環境保全は、相互依存的であり、切り離すことはできない。

第26原則

各国は、全ての環境に関する紛争を平和的に、かつ国連憲章に従って適切な手段により解決しなければならない。

第27原則

各国及び国民は、この宣言に表明された原則の実施及び持続可能な開発の分野における国際法の一層の発展のため、誠実に、かつパートナーシップの精神で協力しなければならない。

A.2 持続可能な開発のための国際商業会議所(ICC)ビジネス憲章

1. 企業における優先的配慮

環境管理を最優先される事項の1つとして、また、持続的な発展の決定要因として認識すること。環境上問題のない適切な方法で、事業を行なうための方針、計画、実践方法を確立すること。

2. 統合的管理

上記の方針、計画、実践方法を、いずれの事業部門においても、最重要な1つの管理要素としてとらえ、それらを十分に統合すること。

3. 改善プロセス

法規制を出発点とした上で、技術開発、科学的知識、消費者ニーズ、社会の期待を考慮に入れて、企業としての方針、計画、環境施策の改善を続けること。また、環境問題についてのその管理基準を国際活動面でも等しく適用すること。

4. 従業員教育

環境の面で責任感ある態度で業務に従事するように、従業員に教育、訓練、動機付けを行なうこと。

5. 事前評価

新しい事業あるいはプロジェクトを始める前に、また施設を撤去し用地から撤退する前に、環境への影響を評価すること。

6. 製品及びサービス

環境への不当な影響がなく、通常意図される用途において安全であり、エネルギーと天然資源の消費の点で効率的であり、回収、再利用、または安全な処分が可能であるような製品またはサービスを開発し提供すること。

7. 消費者への助言

製品の安全な取扱い、運搬、保管、処分について消費者、販売業者、一般の人々に助言を与え適当な場合には教育を行なうこと。サービスの提供についても同様の配慮を行なうこと。

8. 設備と操業

エネルギーと原料の効率的利用、再生可能資源の持続的利用、環境への悪影響と廃棄物の発生の最少化、残留廃棄物の安全かつ責任ある処分を考慮して、施設の開発、設計、運転と諸活動を行なうこと。

9. 研究

事業に関連のある原料、製品、生産工程、排出物、廃棄物が環境に及ぼす影響に関する研究、並びにかかる悪影響を最小限にとどめる方法に関する研究を、実施または支援すること。

10. 予防策

深刻な、或いは、非可逆的な環境の悪化を予防するように、製品・サービスの生産・販売・使用方法や事業活動を、科学的・技術的に知識に沿って修正すること。

11. 請負業者及び納入業者

企業の請負業者に対し、彼らの業務方法を当該企業のそれと合致する形で改善するように奨励し、または、必要に応じてそれを要求し、かかる請負業者による本原則の採用を促進すること、更に、納入業者についても、これらの原則をより幅広く採用するよう促すこと。

12. 緊急時のための準備

相当な危険が存在するところでは、地域・国境を越えての影響がありうるとの認識に立って、緊急対応準備計画を各種の緊急サービス組織、関係当局や地域社会と協力して作成し、維持すること。

13. 技術移転

産業界と公的部門を通じ、環境面から見て健全な技術と管理方法の移転に貢献すること。

14. 共同努力への貢献

公共政策の策定に寄与し、環境に対する意識と環境保護を増進するような産業界、政府または政府間の計画や教育プログラムに貢献すること。

15. 懸念に対する開放的姿勢

従業員や一般の人々が持つ、操業・製品・廃棄物ないしはサービスについての潜在的危険と影響−越境的あるいは、地球規模での意味合いを持つものも含む−についての諸懸念を予め考慮して対応し、開放的姿勢と対話を促進すること。

16. 遵守と報告

環境対策面での遂行状況を測定すること。会社の規定、法的規制、ならびに本原則の遵守状況につき、定期的に環境面の監査と評価を行なうこと。取締役会、株主、従業員、当局並びに一般の人々に適切な情報を提供すること。

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